龙井(long jing)、朝鮮族が多く居住するこの街は、むしろリョンジョンと呼ぶのが
ふさわしく思える。20世紀の前半、ここに「日本総領事館」が置かれていた。様々な
歴史を背景に持つこの建物が、現在も「龙井市人民政府」(龍井市役所)として
使われていると知り、4路の市内バスに乗って訪ねてみた。
龍井の市内はとてもコンパクトであり、徒歩だけでも充分だ。バス路線図入りの
市内地図(2元)を買い求めたバスターミナル売店の朝鮮族のおばちゃんからも、
「歩いて行けないことはない距離だよ」と言われていたが、折角の機会なので市内
バスに乗ってみることにした。
龍井市内バスは5系統運行されており、内三路線(2、3、5)は市の郊外を起点
として中心部を経由し、また別の郊外へ抜けていく系統、残りの二路線(1,4)は
火車站を起点として中心部を経由し郊外へ至る系統である。もっとも2009年7月
現在、龍井火車站に旅客列車は発着しておらず、市内バスが時折行き交うのみで
閑散としていた。バスはマイクロバスで緑色に塗られている。
目的の龍井市政府は市中心部の南端を東西に伸びる六道河路沿にある。ここを
通るのは4路の市内バスのみ。バスターミナルから北へ徒歩3分あまりの火車站
から乗車してみた。
始発地では私一人きりであった乗客も、建設街~海蘭路~龍井街と右左折を
繰り返しながらクネクネと走行するうちに、座席がほぼ埋まる程の乗車率となった。
バス停の無い場所でも乗降できるフリーバスということもあってか、僅かな距離で
乗降する利用者もみかける。始発からこの付近までは、乗客を捕まえるために
時速20Km程度でノロノロ走っている。さらに文化路~建設街と進み、左折して
市南端の六道河路へ入ってからは快調に飛ばし始めた。もうこの先は降りる客
ばかりになるのであろう。
車窓に目を凝らしていたら、肌色の古めかしい建築物が目に入る。「ここだ」
「下車~!」(xia che=シャアチァー)と声をかけると、すっと路肩に車を寄せて
降ろしてくれる。延吉程度の地方都市のバスですら、絶対にバス停以外での
乗降は出来ないのに比べて、とても気楽な足だった。
●乗車データ(2009.7)
運賃:1元均一、有人售票(車掌乗務)
運行時間:6:20~18:00
運行間隔:約10分毎?
参考)龍井市内の主要停留所に掲出されている路線図の画像を掲載しました。
龍井市内バスに乗ってみたいという方は、バスターミナルの売店で販売している地図(2元)と併せてご活用下さい。
1路。火車站(中心北部)~農学院(西部)
2路。三分場(西南部)~廠(東南部)
龍井の航空写真
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